発達アセスメントと課題設定
「ことりん」では、発達アセスメントとして、親御さんへの聞き取りとお子様との面談によって、お子様が出来る事・苦手としていること・問題行動などについての確認を行います。同時に親御さんのご希望を伺いながら、中・長期的な目標を設定します。
中・長期的な目標を設定したら、そこに至るための短期的な目標を設定し、さらに小さな目標を設定して、お子様が無理なく療育を進めて行けるように課題設定を行い、支援プログラムを作成します。
トレーニング内容
・問題行動（かんしゃく、こだわり、他害・自傷行動など）の軽減・解消
・自助スキル（衣類着脱、食事、手洗い、トイレ、など）
・運動スキル（歩行、粗大運動、球技、自転車、操作など）
・学習基礎スキル（模倣、発声、発語、微細運動、描画、マッチング、概念など）
・コミュニケーション（目合わせ、応答、要求、意思伝達、やりとり、会話、他者と一緒に遊ぶ、など）
・遊戯スキル（体遊び、玩具遊び、ダンス、音楽、など）
・就園前スキル
・就学前スキル
これらを１回６０分の個別トレーニング時間の中で、お子さま一人一人に合わせて作成した支援プログラムに沿って、基本的にお子様１人にスタッフ1名がついて実施していきます。
トレーニングの実施・習得状況は記録を取り、お子さまの成長・変化に合わせて、親御さんと相談しながら適時支援プログラムの見直しを行います。
基本的に保護者に同席していただきますが、トレーニングが進みお預かり可能な状況になったら、トレーニング時間中に外出・休憩していただくことも可能です。
トレーニングの基本はABA
「ことりん」では、自閉症スペクトラムを初めとした発達障害のお子さまの行動改善に対して、もっとも多くのevidence（科学的証拠）が蓄積されているABA（応用行動分析学）に基づいたトレーニング法を採用し、児童発達支援管理責任者が一人一人のお子さまの状況に即した支援プログラムを作成し、お子さまの成長に応じて随時プログラム内容を見直します。
当施設におけるトレーニングの状況は、適宜ビデオ撮影を行い全ての記録を残すとともに、トレーニングの進捗状況についてはスタッフが専用の記録用紙に記録をとって客観的な資料を作り、適切な指導につなげていきます。
「ことりん」では、お子様へのトレーニングと並行してご家庭での接し方や問題行動の解決方法などを、保護者の方に同席していただく中で一緒に学んでいただきますが、これをペアレントトレーニング(PT)と呼びます。
トレーニング中は保護者の方に同席していただいて、必要に応じてABAに基づいてお子様の取った行動に対する対処法の具体的な説明・解説などをして行きます。その上で、ご家庭での日常生活における適切なお子さまへの関わり方と共に、ご家庭で出来るトレーニング法も可能な限り取り入れて実行して頂きたいと考えています。
お子様は、適切な関わり方をした時間とトレーニング時間に比例して、問題行動が減りできることが増えていきます。
「ことりん」と並行して、ご家庭でもABA的な関わり方やトレーニングを行っていただくことで、より大きな成長へと繋がっていきます。
「ことりん」の基本理念
療育法や教育法はたくさんの種類が存在していますが、発達障害の研究が始まった1970年代から現在までの間には、自閉症をはじめとした発達障害を持ったお子様達の療育への効果が科学的エビデンス（証拠）によって証明されている方法はABAだけです。
ABAはアメリカで開発されたのち、世界中の研究機関や研究者によって繰り返しその効果が証明されてきました。 ABAとは、わかりやすく言えば、『お子様を伸ばしてあげられる適切な関わり方』です。 ですから、療育者がお子様に対して施すだけではなく、お子様に関わる親御さんやご家族も一緒にABA（お子様への適切な関わり方）を学んで、親御さん自らが日々の生活の中に取り込んでいくことが大切です。
ABAを日々の生活の中に取り込んで行こうとする場合、ABAは一般的な子育ての考え方とは異なる点がある上に、親御さん自身の行動を変えていく場面もあるので、やはり抵抗や負担を感じてしまう場合もあると思います。
「ことりん」では、スタッフがお子様それぞれの状況にあった療育を施すと同時に、そのやり方を実地で親御さんに見ていただき、実際にやっていただいて体験していただくことで、お子様達を伸ばしてあげられる適切な関わり方を、日々の生活の中に取り込みやすくしていけると考えています。
そして、子育てに日々奮闘されている親御さんの、日常での困りごとや辛さや悩みを緩和・解消できるように、一緒に考え歩んで行くことを目指しています。
たとえ障害があっても、それぞれのお子様にあった適切な関わりを続けていくことで、お子様は驚くほどの成長を見せてくれるものです。
私たちことりんのスタッフは「〜だから」と諦めず、どこまでもお子様の可能性を信じ、どこまでも質のよい療育を目指し続けていきます。
